不動産投資といっても、その種類はさまざまです。
1棟マンション、アパート、戸建て、シェアハウス、ワンルームマンションなどがあります。
不動産投資は、うまく運用すれば非常に良い資産形成手段となります。
しかし、誤った選択をすると、大きな損失を被るリスクもあります。
その中でも特に注意が必要なのが「ワンルームマンション投資」です。
結論から言うと、これは初心者が絶対に手を出してはいけない投資です。
営業マンのよくあるセールストーク
ワンルームマンション投資を勧められた経験のある方も多いのではないでしょうか。
この投資は単価が高いため、悪質な営業会社にとっては「非常においしい案件」になります。
彼らは次のようなセールストークで勧誘してきます。
- 少額で始められます
- 税金対策になります、生命保険代わりにもなります
- 将来の年金代わりになります
- 銀行が融資してくれるので、自己資金がなくても大丈夫です
- ローンは家賃収入で返済できます
- 空室リスクもサブリースでカバーしています
一見、魅力的に聞こえるかもしれません。
しかし、これらを鵜呑みにしてしまうと、高確率で損をします。
実際は「詐欺まがい」が横行
これらのセールストークには、重大な落とし穴があります。
なぜなら、利回りが極端に低く、維持コストもかかるため、実質的に赤字になるケースが非常に多いのです。
「表面利回り」と「実質利回り」の違い
不動産投資で最も重要なのは、「利回り」です。
利回りには主に2種類あり、それぞれの違いを正しく理解する必要があります。
- 表面利回り:年間家賃収入 ÷ 物件価格
→ 空室や経費を一切考慮しない「理想的すぎる数字」 - 実質利回り:(年間家賃収入 - 各種コスト) ÷ 物件価格
→ 現実的な収益性はこちらです
隠れたコストの数々
表面利回りには含まれていない、実際の各種コストには以下があります:
- ローン金利
- 空室率
- 修繕積立金・管理費
- 固定資産税
- 仲介手数料
- 不動産取得税・登記費用
- 退去時のリフォーム代・広告費用
- 年々下がる家賃と物件価格
これらを加味すると、表面利回りが6〜7%でも、実質はマイナスになることも珍しくありません。
赤字になる“ありえない前提”
実際に、表面利回り6.4%、月4万円の家賃収入があるというワンルームマンションを購入した方が、5年後に年間7万4千円の赤字になった例があります。
その前提は「常時満室」「修繕なし」「税金ゼロ」「価格が下がらない」という、現実離れしたものでした。
当然ですが、そんな物件は存在しません。
よくある誤解:「節税になる」「年金代わり」「保険代わり」
- 節税になる:赤字だから節税になるだけ。損してる時点で本末転倒です。
- 年金代わり:収支が赤字になる投資が、将来の安定収入になるはずがありません。
- 保険代わり:保険が必要なら、普通に掛け捨て保険に加入すればいいだけです。
サブリースの落とし穴
「空室でも家賃を保証します」と説明されることが多いサブリース契約ですが、保証額の減額や契約解除などが契約書に小さく書かれていることがほとんどです。
実際には数年で保証が終わり、家賃も下がる…というパターンがよくあります。
悪質な営業手法に注意
ワンルーム投資の営業は、さまざまな形で近づいてきます:
- 無料セミナー
- 結婚相談所
- 異業種交流会
- 婚活パーティー
- 無料のFP相談
「情報提供」と見せかけた巧妙な勧誘です。
1件売るだけで営業側に数百万円の利益があるため、あらゆる手段を使ってきます。
銀行は「投資の成功」を保証してくれるわけではない
「銀行が融資してくれる=安全」と考えるのも危険です。
銀行は、貸したお金を返済されればいいので、物件の良し悪しには基本的に関与しません。
自分自身で精査する必要があります。
結論:ワンルームマンション投資には手を出すな!
ワンルームマンション投資で成功するには、「将来的に値上がりする優良物件を安く買う」ことが条件です。
しかし、個人がそのような物件を掘り出せる確率は、限りなくゼロに近いです。
加えて、販売価格には業者の利益がたっぷり上乗せされています。
この構造上、個人が収益を出すのはほぼ不可能です。
✅ まとめ
- ワンルームマンション投資は、表面的には魅力的だが、現実はコストが重く赤字になりやすい
- 営業トークや銀行の融資に惑わされてはいけない
- 本当に必要なのは、正しい知識と冷静な判断力
「おいしい話」の裏には、必ず落とし穴がある。
ワンルームマンション投資には絶対に手を出さないようにしましょう。
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