学資保険は、子どもの教育資金を準備するための保険として多くの人が加入しています。
子どもが小さい時に加入し、満期時には大学などの入学資金や学費として活用します。
また、親が死亡した場合は、それ以降の保険料の支払いが免除される仕組みもあります。
結論から言います。
学資保険は不要です。
基本的には、これまでお話ししてきた貯蓄型の医療保険と同じ理由で不要です。
そんなことを言うと、多くの加入者から反論の声が聞こえてきそうです(笑)。
- 貯金よりお金が貯まる
- 子どもが生まれたら学資保険と言われる
- 今解約したら損!
確かに気持ちは理解できますが、必ずしも適切な理由とは言えません。
では、1つずつ学資保険が不要な理由を解説します。
① 元本は安全ではない
保険会社は倒産する可能性があります。
倒産した場合は一定の保証がありますが、減る可能性は高いです。
実際に過去、国内で8社の保険会社が倒産しています。
「責任準備金があるから大丈夫!」と説明を受けた方もいるかもしれませんが、銀行預金の1,000万円保証とは性質が違い、全額保証される可能性は低いと考えていいでしょう。
② 途中解約による元本割れリスク
途中で解約した場合、戻ってくるお金はこれまで払った保険料より少なくなります。
「解約しなければいい」と思うかもしれませんが、18年間という長い期間では何が起こるかわかりません。
実際、ある保険会社の調査では1割以上の人が途中解約を経験しています。
そもそも自分のお金なのに「返してほしい」と言ったら「違約金を払え!」というのもおかしな話です。
矛盾に思って裁判になった例もあるほどです。
こうしたリスクを背負っているにもかかわらず、利回りは極端に低いのです。
普通預金:0.001%〜0.1%
定期預金:0.1%〜0.3%程度
学資保険:マイナス〜0.48%程度。
学資保険は短期解約で100%元本割れなのに、元本保証の預金と金利がほとんど変わらないのです。
これなら預金で十分です。
学資保険 VS インデックスファンド
具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。
- 学資保険:毎月1.3万円を18年間積立 → 総額281万円 → 満期300万円(+19万円)
- インデックスファンド(年利6%運用):毎月1.3万円を18年間積立 → 503万円(+222万円)
「年利6%は高すぎるのでは?」というツッコミもあると思いますが、過去の実績から見ても十分現実的な数字です。
これなら自分で運用した方が、圧倒的に手残りが多くなる可能性が高いのです。
資産運用は自分でできる
「保険会社のように資産運用が自分でできるか不安」という人も多いかもしれません。
心配はいりません。当ブログなどで正しい知識を身につければ、誰でも簡単にできます。
新宿駅や東京駅での電車の乗り換えの方が、よっぽど難しいです(笑)。
保険を紹介する記事や人が多い理由
SNSやブログ上には、不要な保険を紹介する記事が数多くあります。
とても良い発信をしているインフルエンサーですら、ぼったくりの保険を紹介しているケースがあります。
理由はシンプルで、紹介すると保険会社から多額のマージンを受け取れるからです。
駅前の「保険の○○」という店舗も同じ構造で、相談者の利益よりも自分たちの儲けが優先されています。
保険会社のセールストークに対する筆者の見解
- 「学資保険は払った以上に戻ってくる」
→ 間違えではありませんが、長期拘束などのリスクに対してリターンが釣り合っていません。 - 「いざという時に保障がある」
→ 掛け捨ての生命保険で十分対応可能。ネット保険なら数百円で加入できます。 - 「リスクがない」
→ 倒産・途中解約・長期拘束・金利上昇のリスクがあります。 - 「投資は危険」
→ 保険会社も投資で運用しており、そこから高額な手数料を取っています。 - 「強制的に貯められる」
→ 財形貯蓄や銀行の自動積立で代用可能。元本割れもありません。 - 「学資保険は保険会社の儲けがない」
→ 実際には「ドアノック商品(見込み客との最初の接点を作るために用意された「入口」となる商品)」であり、学資保険をきっかけに他の高額商品を売るための入り口なのです。
すでに契約してしまった場合
- 加入して数年の人
解約返戻金を確認し、解約してインデックス投資に切り替えるのが得策です。短期の損は、長期投資で十分に取り返せます。 - 満期まで残り数年(2~3年)の人
そのまま継続して満期を迎えるのもありです。短期運用では損する可能性があるためです。
いずれにせよ、今後はこうした商品には手を出さないようにしましょう。
まとめ
必要な保険は「めったに起きないが、起きたら貯金では賄えないリスク」に備えるためのものです。
具体的には以下の3つだけで十分です。
- 自動車保険(対人・対物無制限)
- 火災保険
- 掛け捨て生命保険(小さい子どもがいる家庭)
これらの保険はネット保険を利用すれば、月5,000円程度で収まります。
それ以外のことは、公的保険をベースにして貯金で備えるようにしましょう。
「保険には極力近づかない。必要最小限の保険に泣く泣く入る」
これが保険との正しい付き合い方です。
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