従業員持株会のメリットとデメリット:賢く利用するためのガイド

資産運用

従業員持株会は、あなたが勤めている会社の株を、毎月給料から少しずつ積み立てて買っていく制度です。

会社が従業員に自社株を持ってもらうことで、会社と従業員が一体となって成長を目指す仕組みと言えます。

出所:SMBC日興証券

従業員持株会のメリット

お得に自社株を購入できる 

多くの場合、会社が「奨励金」として、あなたが拠出する金額の1割程度を上乗せしてくれます。

例えば、毎月1万円積み立てたら会社が1,000円プラスしてくれるようなイメージですね。

実質、株価より安く自社株を手に入れられます。

会社の成長がダイレクトに恩恵に 

会社の業績が上がれば、あなたの給料が増えるだけでなく、保有している株の価値も上がります。

まさに「会社が成長すれば自分も潤う」という実感を得られるでしょう。

手間なくコツコツ資産形成 

給料やボーナスから自動的に天引きされるので、自分で銀行に振り込んだり、株を買う手続きをしたりする手間が一切ありません。

忙しい方でも無理なく資産形成が続けられます。

未上場企業なら一攫千金の可能性も 

もしあなたが未上場の会社の従業員で、その会社が将来的に上場(IPO)すれば、株価が大きく跳ね上がり、莫大な利益を得られるチャンスもあります。

従業員持株会のデメリット

リスクが集中しやすい 

最大のデメリットは、「給料も投資先も同じ会社」になることです。

もし会社の業績が悪化すれば、給料が減るだけでなく、保有している株の価値も同時に下がってしまう可能性があります。

収入と資産が同じ土俵にあるため、リスクが分散されません。

売却時に手間と時間がかかる 

通常の株式売買のように、証券会社を通じて簡単に売却できるわけではありません。

持株会を通じて手続きが必要になるため、売却までに時間と手間がかかることがあります。

急にお金が必要になった時に、すぐに現金化できない可能性があります。

株主優待の対象外に 

従業員持株会で保有している株は、持株会名義で管理されます。

そのため、個人で株を所有している場合と異なり、株主優待が受けられないケースがほとんどです。

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筆者の意見:従業員持株会は「集中投資」のリスクを伴う

従業員持株会は、まさに「集中投資」の典型です。

会社の業績とあなたの資産、そして収入がまさに一蓮托生の状態になります。もしあなたの会社が右肩上がりの成長を続ける確信があるなら、確かに大きな恩恵を受けられるでしょう。

しかし、現代の経済環境は不確実性が高く、将来の業績を正確に予測するのは非常に困難です。

投資の基本は「分散」です。給料という収入源も、そしてせっかく築く資産も、全て勤務先の会社に依存してしまうのは、リスクが高いと言わざるを得ません。

経済的な安定や将来の自由を目指すなら、会社以外の収入源を検討したり、世界中のさまざまな企業に投資できるインデックスファンドなど、リスクを分散できる投資を重視する方が、より合理的な選択だと考えます。

結論:あなたの「確信」が判断基準

もしご自身の会社が将来にわたって成長し続けると確信できるのであれば、持株会で自社株を保有することは一つの有効な選択肢となり得ます。

しかし、もしあなたが会社の将来に少しでも不安を感じるのであれば、持株会への過度な依存は避けるべきでしょう。

私個人としては、一点集中投資となる持株会には加入していませんし、大切な家族や友人にも積極的に勧めることはありません。

これまで通り、全世界株式連動型のインデックスファンド(通称「オルカン」など)への分散投資を強く推奨します。

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